神戸空港問題:いよいよ財政が破綻?-選挙にいこう | 因果倶時

神戸空港問題:いよいよ財政が破綻?-選挙にいこう

神戸市長選で、
新人候補の樫野さんが惜しくも敗北した直後、
神戸市から空港の借金の返済先送り計画が発表された。
樫野さんブログエントリー

今回の市長選には期待していたのですごく残念、
ということもあり、改めて地元の財政状況を少し調べてみた。

来年度返済期限の650億のうち、395億の返済を20年後に先送りするという。
返済する255億についても、他の造成事業の返済用に貯めていた資金をあてて返済するとの話。

空港建設のために1985億を借り入れたのに、
あてにしていた土地売却資金の4%、45億しか売れていない。
ということは土地が売れない限りは残り1940億の返済のあてはないということ。

神戸市は政令都市なのでかなりの税収があるのかと思いきや、
市税の収入規模が3000億ぐらしかない。なのに全会計の予算規模は1.8兆ある。

市債の残高は、一般会計だけを見ると、3年前ぐらいの1.8兆から1兆円近くまで下がってきているが、
特別会計など全会計ベースでは引き続き2.5兆円ぐらいある。長期市債の金利は2.38%。
神戸市債残高

ちなみに他の政令指定都市と比較してみると、
 ・横浜市 予算規模3.3兆 市税収入7200億 20年市債金利2.1% 市債残高4.5兆 人口157万人
 ・大阪市 予算規模3.8兆 市税収入6000億 20年市債金利2.5% 市債残高3.3兆 人口266万人
 ・名古屋市 予算規模2.7兆 市税収入5000億 20年市債金利2.26% 市債残高3.2兆 人口225万人
 ・神戸市 予算規模1.8兆 市税収入3000億 20年市債金利2.38% 市債残高2.5兆 人口153万人
 ・福岡市 予算規模1.9兆 市税収入2700億 20年市債金利2.14% 市債残高2.5兆 人口145万人
 ・京都市 予算規模1.6兆 市税収入2600億 20年市債金利2.38% 市債残高1.9兆 人口146万人
変な横並び感覚があるんじゃないかと思うぐらいどこも似たり寄ったりで良くない。
国だけでなく日本中が借金漬けになっているのがわかる。
対GDP比の国別債務残高というものがありました。
GDP比 債務残高の国際比較
とにかく借金をして金をばら撒くことで何とか国の成長を維持しようとしてきたことがなんとなく分ります。

一つ思うのはここのところの低金利のために長期市債の金利が低くて助かっているけれど、
金利が上がると今後これらの自治体はどうするんだろう、ということ。
借り換えが厳しくなるから本気で返済しないと破綻しそう。

神戸市の経常収支比率は99%近くとなっており、予算の自由は殆どない。
実質公債費比率も17.5%となっているが、実質は18%を超えてすでに国の管理下状態。
神戸市財政一覧(PDF)
財政用語

神戸の特徴としては地方交付税への依存度が異常に高い。
プライマリーバランスの黒字化は借金残高の多さからくる返済額の多さからくるものであまり意味はなさそう。
神戸市:財政力指数と地方交付税収入額

ここまで来ると、
例え事実を認識していたとしても、
自分のミスを認めたくないがため、
もしくはミスを補うために更に頑なに過去の総花的な政策を重ねる、
ということしか今の政治家には出来ないはず。

役人は上から依頼されない限り疑問に思ったことを自分で調査して何かの資料を作成する
ということもないだろうし。

選挙を通じて良識のある人を選び、変えていくしかない、
変えていかないと国が破綻し、自分達の子供たちが暮らしにくい国になってしまいかねない、
ということを改めて思います。選挙しよう。