西洋文化の優位性 | 因果倶時

西洋文化の優位性

今日、久しぶりに銀座の街を歩いていて、相変わらず華やかな街だと思うと同時に、
この銀座の華やかさを演出しているのが基本的には西洋文化だということ、
そして、
個別に異論はあるにしても、
基本的には西洋文化が地球上の全ての価値観を圧倒しているという事実を、
改めて感じました。

物量だけでなく、
学問、音楽、スポーツ、結婚、食。あらゆる「生」にかかわるテーマで西洋が世界を席捲してしまっている。

唯一、「死」にかかわる部分だけは、個々の文化が脈々と息づいている。

自宅に帰ってから世界の文化というものを改めて考えていたら、
結局のところ、全ての文化は古代文明にそのルーツがある。

アジア圏であればそれは中国文明。
日本、韓国、東南アジア、中央アジア、すべて中国の影響を受け、
中国から発生した死生観、政治思想、音楽・学問・食のカルチャーから派生している。

一方、西洋文化は何かといえば、
それはギリシャ・ローマ文明になる。

ギリシャで発生し、ローマで発展した政治思想、軍事技術、教育体系などが全てのベースとなり、
各国がそれを使って富国強兵を図った。

ヨーロッパは面積も小さく、小規模な民族がひしめきあっていたため、
当初は豊富な土地を使って圧倒的な人口を作り出したアジアや中近東の民族が高い技術と文化を持ち、
ヨーロッパはそれを習うほうにまわった。
当初、ギリシャやローマが発展したのは気候に恵まれていたので文化が遅れている中で比較的国が発展しやすい土壌があったのと、アジア・中近東の文明を受け入れる窓口が地中海だったからだと思う。

ローマ人は海を通じて取り入れた技術と資源をつかってヨーロッパを征服し、
小規模なローマ民族が
より大きな人口を持つヨーロッパ内の諸民族を効果的に統治するための優秀な政治の仕組みを作りあげた。

西洋文化は物量主義と言われているが、
当初物量に依存したのはむしろアジアの大国だったに違いない。
当時の戦争の記録を読んでも、ギリシャやローマの軍隊はせいぜい数万人。アジアの軍隊は常に数十万という数字が出てくる。
きっと西洋文化は、
アジアの驚異的な人的物量主義に対抗するために、
物質的な物量主義を存亡をかけて推進せざるを得ない状況に追い込まれていたんだろう。

そうやって優秀な統治機構をつかって富国強兵をはかったローマは、
当時の貿易の舞台だった地中海を巡って大国との戦争を繰り広げたが、
そこで覇権を握ったころには徐々に貿易の舞台は大西洋へから新大陸へと移っていった。

収益源を失ったローマは徐々に力を失い、
地理的にも大西洋に出て行くのが不可能なので二度と軍事的に浮上することはなかったが、
引き続きローマが残した統治機構を使って激しく競争したヨーロッパの大国が軍事技術を磨きぬく中で、
王朝の肝いりで数学・物理を中心とした高度な学問と金属加工技術を発展させたことが、
様々な分野への大きな応用展開を産み、
その副作用としてきらびやかな金属装飾文化と、
あの素晴らしい音楽楽器とそれによる音楽そのものの世界を作り上げたのだと思う。

こう考えてみると、
西洋の全ては、スポーツも含めて全て軍事技術を基礎にしているし、
その文明が「生」を謳歌しようとしているように見えるのも、
戦争に明け暮れたヨーロッパの国々の人生観そのものをあらわしているのだと思う。

ただ結果として、
あまり戦争をせずにじーっと日々を暮らす中で内面を追いかけて「死」について考え続けていたほかの国と、
いつ死ぬかわからないから生きているうちにいかに楽しく豊かな「生」を実行するかを追求した国々の文化では、
それはこの世の中で圧倒的に後者に魅力が出ても仕方がないですね。

というところまで、
うまく結論にたどり着いたところで終わり。