思い切り、楽しく。 | 因果倶時

思い切り、楽しく。

2010年。
当社は親会社が6日スタートなので当社も今年は6日スタート。

われわれはグローバル事業を推進しているチームなので、
来年はこうはいかないかもしれないなあ、などと思いながら長い年末年始を過ごしています。

去年の年初初めのブログは自分は何を書いたのか調べてみたら、
こんなことを書いている。
頼りになるもの

そういえば不況の真っ最中だったなと思う。
そもそも1月15日。ずいぶん日も経っている。

書いたことは改めて見ると面白い。

たしかに、じわじわ出汁がでてくるようなサービス、振り返ってみると結局自分は作れていない。
出汁を出す作業はとても根気がいるものだ。
だから、好きじゃないとやれない。
好きだから、とか、やりたいから、とか、やるべきことだと思うから、
とかじゃなくて何か別の目的でやっている場合は、
結果が伴わないと苦痛になってくる。

事業というのは必ず浮き沈みを伴うし、
日々の大半は単調になる。
しまいには、成功し続けることすら単調になる。

そうするとやっぱり苦痛になる。

だからといって、
そこで投げ出してしまうと、
投げ出された事業、サービス、商品は、
中途半端に失敗の烙印を押されてしまう。
そういう途中で投げ出されり放置されているようなサービスや商品が、
まるで都合良くもてあそばれた何かのように見えて、
僕は正直可愛そうでたまらない。


2009年はいろんな見方があると思いますが、
僕にとっては、
ターゲットを絞りきるリスクを負う代わりに、
何かを徹底的にやりきっているサービスや商品が、
不況の中で圧倒的な支持を集めた、という年だったという印象があります。


その代表格が、クックパッド。

もはや、
日本中の主婦がクックパッドを見て料理を考えている。
「投稿サービス」という、一見ハードルの高そうなサービスでありながら、
これほど、「ネットユーザー層」ではない一般的な利用者から日常ツールとして圧倒的な支持を集めたサービスは、これまでになかったと思う。

クックパッドをSNSとして明確に定義した記事は見たことがないけれど、
クックパッドこそ、
全くの赤の他人、素人同士を結びつけ、
「料理」という題材だけを軸に広大で実益的なネットワークを作ったSNSだという気がしています。
このSNSは、
ほかのSNSと違い、
流行り廃り、というものとあまり無関係なところでまだまだ進化し続けていくはず。

もうひとつの代表は、LinkedIn。

アメリカ発のビジネスマン専用SNSですが、
その開発理念に忠実に機能をどんどん充実させていった結果、
いまでは世界中のビジネスマンとのコンタクトが、
LinkedIn経由で行える時代になってきており、ビジネスマンの必須ツールと化しつつある。
去年はそれがやはり表面化した年だったんじゃないだろうか。

海外事業をやるようになると、
無料で使えるにも関わらず強烈なBtoBでの情報伝達力を持つLinkedInの凄さを強烈に感じます。
面白い、とかではなく、普通に、「便利」なSNS。

クックパッドと同様、
LinkedInも、専門分野における圧倒的な利便性を武器に、
これからしぶとく生き続けていくタイプのサービスになると思う。


僕は、
クックパッドやLinkedInが起こしたような変化は、
まだまだ沢山起こせるものだと思うし、何よりも、こういう目的に忠実で、ボトムアップ型のものは好きです。



もうすぐ、
転職してから丸5年。

5年前、
何か普通の人たちの日常生活を便利にし、豊かにするようなサービスや商品を作ることを、
徹底的にやり続けたい、と思って転職した。

その5年で、
日本という国自体が何か大きな閉塞感の中に追い込まれている。

このタイミングで、
大河ドラマのテーマが「坂本龍馬」になるというのも、
そういうことなのか。自分は勘が鈍いのでやっと気づきました。

とりあえず、
5年間、
得たものは沢山あったけれど、
アウトプットとしては大したことは何も出来ていないのが現実。

初心を、やるべきと思うことを、今年はもっと思い切り、楽しく追求していこう、と思います。
今担当しているアジア事業も、やればやるほどに、ますますその意義を感じる。
成長意欲の高いアジアの人たちと話すたび、こちらが触発されます。
2010年はいろいろと面白い年になる予感。自分だけでなく。