商社とベンチャーで迷ってる、みたいな話 | 因果倶時

商社とベンチャーで迷ってる、みたいな話

最近、
就職先で、
商社にしようかベンチャーにしようか・・・?

と悩む人が多いみたいですね。

大概そういう人は、
将来起業したい、
と漠然と思っているケースが多いようです。

あるいはデカいことがしたい、
かっこいいことがしたい、
みたいな。


一応両方を経験した自分としては、
一つ思うことは、
それは、
どっちだろうが関係あるか!
ってことです。

というか、
起業したい人は、就職なんかせずにすぐ起業したほうがよいです。


大企業につとめていると起業する人が少なくなるのは、
理由は簡単。

それは「安定してしまう」からです。
給料もそこそこもらえる。

人は、
一旦一定の収入、生活を始めてしまうと、
その安定した生活を守りたいと思います。

これは誰でも同じだと思います。

仕事、職場での地位、生活レベル、恋人、親戚、親。
自分を囲む周りのものが、
今現在の自分を前提として全て成り立ってしまうことにより、
そこから抜け出すことは勇気が必要になります。

さらにそこから結婚、子供が出来る、
そういったことが重なれば、
必要な出費もどんどん増える。自分以外のことも守らなければいけない。
今の給与を前提にして自宅も購入する、
子供も塾にいかせ、学資もかせがなければならない。

ますます勇気と決断が必要になる。
よほど固い橋でなければわたれなくなる。

こうやって、起業できなくなります。
というか、起業どころか、その組織から抜け出せなくなります。


ベンチャーの場合はどうか??

まったく変わりません。

ベンチャーであっても、同じように仕事、職場での地位、生活レベル、
みなそれなりに安定する。
安定すればみな大企業思考になります。
成功体験も自分を縛る。
その、自分が知っている、自分が把握できる範囲の体験の上に、自分を積み重ねていきたいと思うもの。


でも、ベンチャーだったら自分の好きなようにできる?

もちろんそんなこともない。

ベンチャーだろうが大企業だろうが、
かならず上司がおり、社長がおり、場合によっては株主もいる。

実力もないのに何の責務も負わずにノーリスクで自分の好きなようにできるはずもない。
ベンチャーの中で誰かが立ち上げた既存の事業をただ守っているだけなら、
別に職場がどこであろうと何も変わらないです。

また、創業者が社長であるベンチャーの場合は、
社長や幹部陣が大きな影響力を持ちます。

社長や幹部陣が考えている思想、方向性に賛同できれば距離が近いだけにものすごく面白くなるし、
逆にその方向性に少しでも違いを感じるなら、逆にかなり厳しい。
すくなくともトップである社長のことをある程度無条件に尊敬できないと無理です。

その点、
大企業はそこまで強制的な環境ではなく、人的な余力も高いので、
ある意味、自分の好きなようにできる、という見方もできます。


というわけで、要は、

・起業したい&やりたいことや夢がはっきりしている
 ⇒ 何も守るものがない状態で、すぐ起業したほうが絶対いい。

・起業したいけどやりたいことがわからない
 ⇒ やりたいことがわからないのに起業したいということだけが先行しているのも自分にはよく分からないけれど、就職するしかない。その時点でまず、「将来起業しやすいかどうか?」なんてブリッジ的な視点はすぐに捨てること。そもそもそんなこと机上の空論、何年先の話か分かりもしないので。
それよりもまず、
 ①目先の就職先の企業がやっていることに対して心から賛同できるのか?
 ②そこで働いている先輩は自分と共通言語(考え方)で話しができる人たちか?
 ③成長市場に軸足を置いているので、次々と新規事業がうまれやすい環境か?(それであれば自分が事業責任者につくチャンスも多いということ)
 ④上記の①~③を踏まえたうえで、自分が全力投球でその会社の仕事をする気持ちになれるかどうか?

ということを考えれば、おのずと自分の行き先は見つかると思います。
後は、「縁」を大事にしたほうがいいかな。

ちなみに、
やりたい分野がある程度はっきりしている人は、
その分野にずっと興味がもてるかどうかはさておき、
まずその分野に軸足を置いている会社に入ることを優先させたほうがいいですね。
成長市場云々とかよりも。当たり前ながら。


そんな風に思います。