許容して変化する文化 | 因果倶時

許容して変化する文化

韓国に出張にいって今回新たに発見したことが、
韓国では既に、
若い人の間では漢字が通用しない、ということ。

学校でも
もう漢字を殆ど教えないそうです。
だから意味も読み方も知らない場合が多いです。

韓国の方の名刺をみても、
古い人の場合はたいがいハングル表記と漢字表記が併記されていますが、
若い人の名刺をみると、
もうハングルしかない場合が多い。

そういう目であらためてみてみると、
たしかに電車の車内広告などに使われているのも、
ハングルばかりで漢字はほぼ見当たりませんでした。

中国の影響をうけて漢字文化なのは日本と韓国、
そういう認識でしたが、
実はもう漢民族以外で漢字を使っているのは日本だけ、ということです。

日本の場合はひらがなカタカナも、漢字から発祥していると言われているし、
漢字とひらがな、カタカナ、さらにはアルファベットにいたるまで、
あらゆる文字を自国文化の中の一つのツールとして使いこなしてしまっている。
漢字そのものの美しさも、既に日本人の美意識の中に織り込まれている。

韓国が漢字を捨てつつあるということは、
つまり韓国では漢字はあくまでも外来の一時しのぎ的なやむを得ないツールであり続けてきたのであって、
ハングルというものだけで、十分に韓国語や韓国文化そのものを表現できる、ということなんだと思います。

中華圏は圧倒的に中国が先進国だった時代、
そして今も広がる華僑のネットワークを通じてアジア全域に広がっているはずですが、
漢字を受け入れて今も使い続けているのは日本だけ。

実は日本はこういう現象が多い。

典型的なのが食事やお祭り。

アジアのどこの国にいっても思うのが、
その国の人は、
その国の食事しか基本的には食べない。

中国人は毎日中華。
韓国人は毎日韓国料理。
ベトナム人もタイ人もみな、自分の国の料理を毎日3食べています。

どういうわけか日本人だけは、
アジアにとどまらず世界中のあらゆる料理を毎日バラエティー豊かに食卓に並べ、外食する。

もはや、
パンもケーキもラーメンもチャーハンも餃子もスパゲッティーもピザもキムチも冷麺もカレーもフォーもハンバーガーも、既にすべて日本食の一部。
日本独自の味に進化して本場本国よりもおいしくなって日本人の生活の中に根付き、文化になってしまっている。


日本人は本当に何かを取り入れるのがうまいです。
これだけ外国語の下手な島国なのに、
そういう、海外の文化を取り入れることに殆ど抵抗感がなく、
むしろ積極的でありながら自分たちになじむ形で取り込んでしまう土壌であるということは、
実はすごいことなのかも、と思います。

古代中国から黒船にいたるまで、
常に海外から先進的なものが渡来する、
ということを先祖代々体験してきた日本人の生活の知恵なのかもしれないですね。


海外にいくと、
日本は小国ですし、資源もなく、
人一人一人の個人的なパワーや魅力でも、
海外のどの国の人よりもトップレベルで見たときに劣る気がしますが、
そんな国が世界の中で一定の地位を持っているというのも、
そういうところに理由があるのかなという気がしました。


というわけで、
今後も海外での先端事例にたいしては、
臆面もなく貪欲に日本人は学んでいきましょう~~!という話でした。