英語のできない日本人がやるべき国際事業 | 因果倶時

英語のできない日本人がやるべき国際事業

英語が出来ない奴をクビにすべき3つの理由

という刺激的なタイトルのブログ記事があがっていたり、
楽天の三木谷社長が英語の出来ない役員をクビにするとか言っているので、
実際になんだかんだと、
英語がたいしてうまくもないくせに成り行きで海外事業を何度もやっている自分の観点を、
ちょっと書いておこうと思う。


まず、
日本人は英語が下手だし、
これからも永遠に下手であり続けるでしょう。

理由はシンプルで、
日本はほぼほぼ日本人だけで生きている国だし、
日本は経済的だけでなく自然・気候的にも非常に豊かな国で、
ご飯もおいしいし、
生活のためだけであれば、他の国に行きたい理由も特に無いからです。


それなのに日本人が海外に目を向けなければいけない理由は、
経済的に豊かな生活は海外から外貨を獲得して食料と資源を買わないと維持できないから。
そういう、経済的な理由だけ。

なので、別に全員で海外に目を向ける必要はこれっぽっちもないので、
英語は、英語のうまい人に任せておけばいいし、海外が好きな人に行かせてあげれば足りる。
そういう人に対して高度な教育が可能な環境だけ用意しておけばいい。


となると、国内市場が飽和してしまったとかの理由で海外進出したい企業はどうやって海外事業をやればいいのかといえば、一番簡単な方法は、

「英語で説明する必要のない事業をやる」

ことです。

超簡単。


たとえば、ハード事業であれば機能を示せば足りる。それに価格が見合うようにすればいいだけです。
しなやか加工しやすいのに硬度も高い鉄を売ればいいし、
例えば、頑丈で燃費が良く、安い車を売ればいいし、
容量が最高で、耐久力も抜群な電池を売ればいい。
ある意味、こんなに簡単な事業はないです。もちろん国際間競争は大変厳しいですが目標は明確です。

日本企業がこの分野で大きな成功を収めてきたのはこれが理由だと思いますし、
日本人の技術力は世界最高レベルなのでこれからも成功すると思います。

オンライン事業であれば、
コンシューマー向けサービスが一番分かりやすい。
面白いかどうか、使いやすいかどうか、だけが勝負なので、
そこで感性に訴えかけるすばらしいものを作ればいい。
そもそも説明が必要になるようなオンラインサービスは誰も使わないので、
当然英語での説明も必要なし。日本からサーバー立てて提供することも出来る。

この分野でも日本人はおおいに成功できる可能性があると思います。
なぜなら日本人の感性は、ちょっと面白いから。


となってくると、
一番難しいのは情報ソリューション事業です。

情報ソリューション事業はBtoBだけに、説明が必要です。
それに、自社にしか提供できない情報ソリューションというものは殆ど存在しないので、
つまり、
インテリジェンスと論理力の勝負です。
この、インテリジェンスというものは殆ど数字化できないものだし、
数字化したところでそれがお金になるかどうかはあまり関係なかったりする。
論理=筋が通っているかどうかを前提とした上で、
冒頭に取り上げた記事のように、人脈やブランド戦略の勝負だったりする。

こうなってくると確かに、ネイティブ並みの英語力とカルチャー理解がないとなかなか簡単にはいかないです。
唯一の戦略は、超英語ができるやつを雇うか、現地の人間に任せるかですね。

それにそもそも、
日本人は情報とか知識とかを体系化したりする、
いかにも西欧的な考え方はとても苦手な、
「わびさび」や細部に隠れた「粋」の美学を重視する感覚民族です。

残念ながら、
「見ればわかりますよね?」
「大体読み取れますよね?」
という話は外国では全く通用しないから日本人は困るw。


というわけで、
説明力が必須となる極力情報ソリューション事業で海外進出するのは避けるべし、の巻でした。